バレエ・バンクーバーが初シーズン開幕 各地で活躍するダンサーたちが帰郷し参加
『Balanchine’s Apollo & Other Works』9月11日・12日 会場Vancouver Playhouse

Ballet Vancouver / Heather Ogden Jonatan Lujan Photo by David Cooper
2025年に設立されたバレエ・バンクーバーが、2026/27年の初のフルシーズンをスタートさせる。
2025年に設立されたバレエ・バンクーバー(Ballet Vancouver)が、2026/27年の初シーズンをスタートさせる。記念すべきオープニング公演は、ジョージ・バランシンの代表作『アポロ』を中心とした『Balanchine’s Apollo & Other Works(バランシンの『アポロ』&その他の作品)』。9月11日と12日の3公演が、バンクーバー・プレイハウスで行われる。
今回の公演で特に注目されるのが、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのプリンシパル・ダンサー、ヘザー・オグデン(Heather Ogden)さんの出演だ。リッチモンド・アカデミー・オブ・ダンスでバレエを学んだオグデンさんは、その後カナダを代表するバレエ団のトップダンサーへと成長した。世界の舞台で活躍する彼女が、バンクーバーに戻り新設バレエ団の門出を飾る。
さらに、サンフランシスコ・バレエのプリンシパル、サーシャ・デ・ソラ(Sasha de Sola)さんとフランチェスコ・ガブリエレ・フローラ(Francesco Gabriele Frola)さんも出演。カナダと米国の名門バレエ団で活躍するダンサーたちが、バンクーバーの新たな舞台に集まる。
約40年ぶりにバンクーバーで『アポロ』
公演の中心となるのは、20世紀を代表する振付家ジョージ・バランシンの『アポロ』。
ストラヴィンスキーの音楽に合わせ、音楽の神アポロがオリンポス山へ向かう姿を描いた作品で、クラシック・バレエの美しさと現代的なシンプルさを融合した「新古典主義バレエ」の代表作として知られている。『アポロ』がバンクーバーで上演されるのは38年ぶり。最後にこの作品が同市で披露されたのは、1988年のことだ。
今回の演出を手がけるのは、シアトルを拠点とするパシフィック・ノースウェスト・バレエの芸術監督ピーター・ボール(Peter Boal)さん。元ニューヨーク・シティ・バレエのプリンシパル・ダンサーでもあるボールが、バランシン作品の魅力をバンクーバーの観客に届ける。
『白鳥の湖』の名場面も
プログラムには、バレエファンなら一度は目にしたことがある名場面も登場する。
チャイコフスキーの『白鳥の湖』から、名場面『黒鳥のパ・ド・ドゥ』。
黒鳥オディールがジークフリート王子を誘惑する場面として知られ、バレリーナが片足で何度も素早く回転する「32回転のフェッテ」は、バレエを代表する超絶技巧のひとつだ。クラシック・バレエならではの華やかさと、ダンサーの高度な身体能力を間近で楽しめる演目となりそうだ。
最後はスピード感あふれる現代バレエ
プログラムの最後を飾るのは、フィンランド生まれの振付家ヨルマ・エロ(Jorma Elo)さんによる『Slice to Sharp』。ニューヨーク・シティ・バレエのために創作された作品で、今回がカナダ初演となる。 バロック時代の音楽に合わせて、8人のダンサーがスピード感あふれる動きを繰り広げるのが特徴だ。

Ballet Vancouver / Harry Louis Petersen Stephanie Petersen. Photo by David Cooper
世界で活躍した才能がバンクーバーへ帰郷
今回の公演には、ヘザー・オグデンさん以外にも、バンクーバーにゆかりのあるダンサーが数多く参加する。
その一人が、サレー出身のアマンダ・ソルハイム(Amanda Solheim)さん。ロイヤル・ウィニペグ・バレエでセカンド・ソリストを務めた後、故郷に戻り、バレエ・バンクーバーに加入した。
ほかにも、元バレエBC、アルバータ・バレエ、ロイヤル・ニュージーランド・バレエ、バレエ・エドモントンなどで活動してきたダンサーが参加する。
同団の、ジョシュア・ビーミッシュ(Joshua Beamish)芸術監督は、今回の最初のプログラムを「homecoming(帰郷)」と表現している。
これまで、バンクーバーで本格的なバレエを学んだ若いダンサーがプロとしてのキャリアを築こうとすれば、トロントやニューヨーク、ロンドンなど、別の都市へ移る必要があった。バレエ・バンクーバーは、そうした状況を変えようとしている。
地元で育ったダンサーが世界へ羽ばたき、そして今度は世界の舞台から故郷へ戻ってくる。今回の初シーズンには、そんな新しい循環をつくろうとするバレエ・バンクーバーの思いが込められている。
ビーミッシュ芸術監督は「このプログラムは、何が可能なのかを示す宣言でもあります。つまり、バンクーバーは世界最高水準のバレエを遠くから鑑賞するだけではなく、世界水準のバレエそのものを生み出す場所になれるのです」と公演への意気込みを語る。
『Balanchine’s Apollo & Other Works』
会場: Vancouver Playhouse(600 Hamilton St, Vancouver)
日時:2026年9月11日・12日
- 9月11日(金)午後7時30分
- 9月12日(土)午後2時
- 9月12日(土)午後7時30分
料金:$45.12~
演目:
- ジョージ・バランシン《Apollo》
- 《Black Swan Pas de Deux》
- ヨルマ・エロ《Slice to Sharp》(カナダ初演)
公演前には、出演者や振付家らによるトークイベントも予定されている。
チケットや公演の詳細は、Ballet Vancouver公式サイトで確認できる



