トロント国際映画祭2026「Platform」部門発表 西川美和監督『Children Untold』がオープニング作品に
Platform賞受賞作にはアカデミー賞国際長編映画賞への応募資格を付与

TIFF26 『Children Untold(わたしの知らない子どもたち)』/Photo: Courtesy of TIFF
トロント国際映画祭2026「Platform」部門上映作品発表
トロント国際映画祭(TIFF)は、2026年の「Platform(プラットフォーム)」部門のラインナップを発表した。映画祭唯一のコンペティション部門であるプラットフォームは、独自の映画言語を持つ監督たちの才能と作家性を紹介する場として設立され、今年で11年目を迎える。2026年は選出作品数が12本へと拡大、さらにプラットフォーム賞受賞作には第99回アカデミー賞国際長編映画賞への直接的な資格獲得につながる新たな制度が導入される。
作家性あふれる国際映画の競演
優れた監督のビジョンと作家としての表現を称えることを目的としている同部門には、これまで後に世界的な評価を得た監督たちが登場してきた。バリー・ジェンキンス(『ムーンライト』)、ダリウス・マーダー(『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』)、ウィリアム・オルドロイド(『レディ・マクベス』)、サラ・ガヴロン(『Rocks/ロックス』)、アンソニー・シム(『Riceboy Sleeps』)らもPlatformを通じて国際的に注目を集めた。
2026年のPlatform部門では、インド、韓国、トルコ、イタリア、カナダ、イギリス、ブラジル、フィリピン、南アフリカ、ポーランド、日本など、15か国にまたがる映画作家たちの新作12本が集結。全作品がワールドプレミア上映となる。
西川美和監督『Children Untold(わたしの知らない子どもたち)』が部門オープニング作品に
日本からは、西川美和監督の最新作『Children Untold(わたしの知らない子どもたち)』が選出され、プラットフォーム部門のオープニング作品を務める。
西川監督が原案・脚本・監督を務める本作は、第二次世界大戦直後の東京を舞台に、生き抜くために少年として振る舞う12歳の少女の姿を描く。主演は⼩⼋重葵美と二階堂ふみ。
多様な背景を持つ12作品
2026年Platform部門のラインナップは以下の通り。
- 『Angh』|テジャ・リオ監督(インド)
ナガランド州の奥地を舞台に、孤立して生きる先住民ナガ族の村長の姿を描く16ミリ撮影作品。 - 『Brace Your Heart』|アマンダ・ケルネル監督(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、ブルガリア)
スウェーデン、サーミの女性たちの愛、 resilience(回復力)、そして受け継がれる強さを、20歳の女性を主人公に描くドラマ。 - 『Children Untold』|西川美和監督(日本)
Platform部門オープニング作品。 - 『Djinn Wedding』|フェリト・カラハン監督(トルコ)
アナトリア地方の村を舞台に、家族の秘密と葛藤を描く家族ドラマ。 - 『Idda』|イレーネ・ディオニジオ監督(イタリア)
シチリア島のエトナ山への旅を通じて、幼なじみの女性たちの友情と過去の傷を描く作品。 - 『In the Heart of the South』|ナイラ・イヌクスク監督(カナダ)
トロントのアート界を舞台に、イヌイットの主人公が過去のトラウマやアイデンティティと対峙する物語。 - 『Masc』|ベルティル・ニルソン監督(イギリス)
社会における男性性、アイデンティティ、自己表現をテーマにした長編デビュー作。 - 『On Behalf of My Son』|ガブリエル・マルチンス監督(ブラジル)
バス事故で息子を失った母親の喪失と再生をめぐる人間ドラマ。 - 『Silenced Nights』|ローレンス・ファハルド監督(フィリピン)
フィリピンのスラム街で発生した超法規的殺害の目撃者が真実を求める姿を描く社会派作品。 - 『The Smell of Apples』|ジョン・トレンゴーヴ監督(南アフリカ、オランダ、チリ)
アパルトヘイト体制の現実に気づいていく11歳の少年を描いた、小説原作のドラマ。 - 『The World Before』|ユン・ダンビ監督(韓国)
『夏時間』で知られるユン・ダンビ監督の最新作。幼なじみの2人のティーンエイジャーを描く青春物語。 - 『Wild Wild East』|ヤン・ホロウベク監督(ポーランド)
第二次世界大戦下のポーランドを舞台にした、サスペンスと戦争ノワールを融合した作品。
最高賞『Platform賞』がアカデミー賞への新たな入口に
2026年から、プラットフォーム賞の受賞作のうち英語以外の言語で製作された作品には、アカデミー賞国際長編映画賞へのエントリー資格が付与される。これによりTIFFは、ベルリン、カンヌ、ヴェネチア、サンダンス、釜山などと並び、国際長編映画賞への新たな選考ルートを提供する世界6つの映画祭のひとつとなる。
今年のPlatform賞の審査委員長を務めるのは、アルゼンチンの映画監督・脚本家・プロデューサーのパブロ・トラペロ。イギリスの監督・脚本家アマ・アサンテ、台湾の俳優・映画監督シルヴィア・チャン、フランス系カナダ人プロデューサーのリュック・デリー、香港映画界のエグゼクティブであるアルバート・リーが審査員を務める。受賞監督には2万カナダドルの賞金が贈られ、授賞式は映画祭最終日の9月20日に行われる。
多様な地域、文化、背景を持つ映画作家たちが集う2026年のプラットフォーム部門。次世代の国際映画を占う重要な舞台として、今年も世界中の映画ファンから注目を集めそうだ。
トロント国際映画祭は2026年9月10日~20日まで開催。チケット、上映作品、スケジュール等の詳細は映画祭公式サイトをご覧ください。
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