2026年トロント国際映画祭(TIFF)で上映される日本映画を紹介
今年は西川美和、濱口竜介、三池崇史、是枝裕和、塚本晋也、SABU監督が参加
トロント国際映画祭は、2026年9月10日~20日にトロントのダウンタウンで開催されます。
チケットの一般発売は8月31日開始(TIFFメンバーは21日~) 購入はTIFF 公式サイトからどうぞ!

2026年9月10日から20日まで、トロントのダウンタウンで第51回トロント国際映画祭(TIFF)を開催。今年も日本映画界から、注目すべき6作品が参加する。
西川美和監督の『わたしの知らない子どもたち』はPlatform部門のオープニング作品に選出。濱口竜介、三池崇史、是枝裕和、塚本晋也の作品はSpecial Presentations、SABU監督の『ARRESTED MEMORY』はMidnight Madnessで上映される。
『わたしの知らない子どもたち』英題:Children Untold
監督:西川美和
TIFF部門:Platform部門オープニング作品/ワールドプレミア
上映日:9月10日、11日、19日

Children Untold/ Courtesy of TIFF
西川美和監督の最新作『わたしの知らない子どもたち』は、TIFFのPlatform部門のオープニング作品に選ばれた。Platformは、監督の作家性や独自の映画表現に焦点を当てるTIFF唯一のコンペティション部門で、本作は12作品からなる2026年のラインナップの幕開けを飾る。
物語の舞台は1945年、終戦直後の東京。12歳の少女・琴子(小八重葵美)は、戦争によって家族と日常を失い、生き延びるため自らの性別を隠し、少年として生きることを選ぶ。少女であること自体が危険となる社会状況のなか、琴子は同じように居場所を失った少年たちと出会い、闇市で生きるための場所を探していく。
一方、琴子がかつて疎開していた学校の教師・曽根(二階堂ふみ)は、戦時中に軍国主義教育に加担した過去を抱えている。敗戦によってそれまでの信念や立場を失った曽根は、自らの戦争への加担と向き合いながら、新しい時代を生きようとする。 戦争によって人生を変えられた人たちが、それぞれの立場から戦後を生きようとする姿を描く作品。西川監督自身が原案・脚本・監督を務めている。
日本では10月16日に劇場公開予定。
『急に具合が悪くなる』英題:All of a Sudden
監督:濱口竜介
TIFF部門:Special Presentations/北米プレミア
上映日:2026年9月14日、19日

All of a Sudden/ Courtesy of TIFF
『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』などで国際的に評価されてきた濱口竜介監督の最新作が『急に具合が悪くなる』だ。フランス、日本、ドイツ、ベルギーによる国際共同製作で、濱口監督にとって初の海外ロケ作品となった。
物語の舞台はパリ郊外の介護施設。施設長のマリー=ルー・フォンテーヌは、入居者一人ひとりの尊厳を重視した介護を目指しているものの、人手不足やスタッフの理解不足などに悩んでいる。そんな彼女の前に現れるのが、日本人の演出家・森崎真理。真理はがんを患いながら演劇作品を演出しており、二人は偶然の出会いをきっかけに交流を深めていく。
映画の原点となったのは、哲学者・宮野真生子と文化人類学者・磯野真穂による往復書簡集『急に具合が悪くなる』。濱口監督は原著をそのまま映画化するのではなく、そこから着想を得て、フランス人と日本人という二人の女性を主人公にした新たな物語を構築した。
出演はヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒、長塚京三、黒崎煌代など。作品は196分に及ぶ長編で、2026年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、ヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が最優秀女優賞を共同受賞した。
『バッド・ルーテナント:トウキョウ』英題:Bad Lieutenant: Tokyo
監督:三池崇史
TIFF部門:Special Presentations/ワールドプレミア
上映日:9月14日、15日

Bad Lieutenant: Tokyo/ Courtesy of Neon
三池崇史監督が東京を舞台に「バッド・ルーテナント」の物語を新たに描く『バッド・ルーテナント:トウキョウ』。TIFFではSpecial Presentations部門でワールドプレミアを迎える。日本、米国、英国の共同プロジェクトとして製作され、脚本は天願大介が担当している。
主人公は、東京で自暴自棄な生活を送る警部補・矢吹恭二。そこへ、ある目的を持って米国からFBI捜査官のグエンが来日する。二人の思惑が東京の街で複雑に絡み合うなか、警察組織や裏社会をめぐる事件が展開していく。
矢吹を演じるのは小栗旬、グエン役はリリー・ジェームズ。間宮祥太朗、野村周平、西野七瀬、向里祐香、岩田剛典、渡邊圭祐、中野英雄、村上淳、國村隼、舘ひろし、リヴ・モーガンらも出演する。
本作は、アベル・フェラーラ監督、ハーヴェイ・カイテル主演の1992年作『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』をベースに、舞台を東京へ移して新たな物語として構築したもの。三池監督とプロデューサーのジェレミー・トーマスが再び組む作品でもある。
『ルックバック』英題:Look Back
監督:是枝裕和
TIFF部門:Special Presentations/北米プレミア
上映日:9月14日、16日、19日、20日

Look Back/ Courtesy of TIFF
藤本タツキの漫画『ルックバック』を、是枝裕和監督が実写映画として映像化する。
主人公は、学級新聞に4コマ漫画を連載していた小学4年生の藤野。ある日、不登校の同級生・京本が描いた漫画を目にしたことをきっかけに、自分とは異なる才能を持つ京本と出会う。漫画へのひたむきな思いで結ばれた異なる性格を持つ二人の少女の歩みを繊細に描きだしてゆく。作品は秋田県にかほ市を中心に撮影された。 出演は出口夏希、蒔田彩珠、七瀬ふうり、岡田六花、菅田将暉など。
日本では2026年9月11日に劇場公開予定。
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』英題:Mr. Nelson, Did You Kill People?
監督:塚本晋也
TIFF部門:Special Presentations/北米プレミア
上映日:9月15日、16日、18日

Mr. Nelson, Did You Kill People?/ Courtesy of TIFF
塚本晋也監督の『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、ベトナム戦争を経験した米国退役軍人アレン・ネルソンの人生と証言を題材にした長編ドラマだ。日本・米国・タイ・ベトナムの4カ国で撮影された。
ニューヨークの貧しい家庭に生まれたアレン・ネルソンは、差別と貧困から抜け出すため18歳で海兵隊に入隊する。沖縄のキャンプ・ハンセンで勤務した後、1966年にベトナムの戦場へ送られる。しかし、そこで彼が目にしたのは映画などで想像していた「英雄的な戦争」とは異なる現実だった。23歳で帰国した後も戦場の記憶は消えず、大きな音や暗闇への恐怖に苦しみ、家族との関係も崩れていく。やがてホームレスとなった彼を支えたのが、退役軍人病院の精神科医ダニエルズだった。ダニエルズ医師はアレンに真正面から向き合い、彼を救おうとする。
塚本監督が脚本、撮影、編集も担当している。本作は、アレン・ネルソン本人のノンフィクション書籍をもとに、「戦争加害者が負う傷」を描く作品。 出演はロドニー・ヒックス、ジェフリー・ラッシュ、タチアナ・アリ、マーク・マーフィ、リリー・フランキーら。
『ARRESTED MEMORY』英題:Arrested Memory
監督:SABU
TIFF部門:Midnight Madness/北米プレミア
上映日:9月17日、18日、19日

Arrested Memory/Courtesy of TIFF
SABU監督の最新作『ARRESTED MEMORY』は、台湾と日本による共同製作作品。TIFFではMidnight Madness部門に選ばれている。
主人公は、アルツハイマー病を抱える刑事。記憶が失われていく状況のなかで、刑事として事件に向き合うクライムアクション作品。主演は台湾の俳優イーサン・ルアン。シェ・インシュエン、ムーン・リーらに加え、日本から堤真一、霧島れいかが出演する。作品は2026年のヴェネチア国際映画祭でも「Venice Open – Out of Competition(アウト・オブ・コンペティション)」部門に選出されている。 日本公開は2027年を予定している。
Toronto International Film Festival ’26 (TIFF)トロント国際映画祭
開催:2026年9月10日~20日
会場:TIFF Lightbox 、Toy Thomson Hall、 Princess of Wales Theatre など。
チケット:$30~ チケットの販売は、TIFFメンバー:8月21日~、一般:8月31日~
上映作品、スケジュール、チケットの購入、メンバーシップ情報などはTIFF公式サイトをご覧ください。
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