トロント国際映画祭(TIFF)で『ルックバック』北米プレミアー是枝裕和監督が登壇

Look Back /Courtesy of TIFF
開催中のトロント国際映画祭で9月14日、是枝裕和監督の『ルックバック(英語題:Look Back)』を上映。是枝監督も来加し、登壇した。
映画祭では「Special Presentation」部門に選出された同作品は、藤本タツキさんによる同名漫画が原作。北米プレミア上映となった当日は、30分遅れの午後10時15分からの上映にもかかわらず満席となり、現地での是枝監督の人気の高さをうかがわせた。
上映前に舞台挨拶に登壇した是枝監督は、「こんな遅い時間に、たくさん来ていただいて感激です」と感謝し、「デビューして30年経つのですが、そこからずっと僕の作品を上映し続けてくれている映画祭に呼んでいただいて、また上映していただけるのはありがたいことです。僕が監督としてキャリアを重ねていくのをずっとそばで見てくれているような映画祭です」と、トロント国際映画祭への思いを述べた。
また、「コロナで、自分の映画作りがすべてストップして、自分の映画は世界に必要とされていないと思わざるをえない状況で『ルックバック』と出会いました。描くことに一生懸命向き合おうとするふたりの主人公に、背中を押されるような気持ちで、自分もまた映画に向き合おう、と思わせてくれた作品です。そんな作品を今回、実写映画化させていただきました」とも語った。


北米プレミア上映前にレッドカーペットに登場した是枝裕和監督(左)と、上映後のQ&Aでの様子(右)Photo:Osanpo News Canada!
上映後は、深夜過ぎとなったにもかかわらず、Q&Aで熱心な質問に丁寧に答えていた是枝監督。キャスティングについての質問には、「おとな二人の役者はすぐ頭に浮かんだ」と答え、「子役を選んだ時には、顔が似ているというより佇まい」で選んだと説明。「野球に例えると、出口さんがピッチャーで蒔田さんがキャッチャーなんです。子ども時代の役者も、それを念頭に置きながら見つけました」と説明した。
会場には原作漫画やアニメ版を鑑賞済みという参加者も少なからずいたようで、「漫画から変えたり加えたりしたところは?」との質問も上がった。監督は「素晴らしい原作だったので、極力変えないようにしよう、最初に読んだ時の読後感から変えないようにしようと思いました」と答え、変更した点については、「独り言を会話に変更した」部分と「周囲の大人の存在を少しずつ立たせて、街にやって来る白鳥と同じように、子どもたちを見ているという目線を少しずつ補強した」部分だと述べた。
会場では、「時間の経過、秋田の季節の移り変わりが美しかった」、「ふたりのキャラクターについて、お互いが影響し合って成長しているのが素晴らしい話だった」、「何かに夢中になる人の背中が美しいと思った」などの感想の声が聞かれた。また、Q&A後には、是枝監督に駆け寄り、写真撮影やサインを求めるファンの姿も多く見られた。




